2026/06/22

何のためなら我慢できるのか

最近知り合いになった女性の一言と、それを聞いて思ったことを記録に残しておきたいと思います。

その方は私より先輩。(以降、Aさんとお呼びします。)

ご自宅で野菜や花を育ててらっしゃいます。

私に「元夫と会い続けた方がいいのではないか」と言った(今のところ)唯一の人でもあります。

二人で雑談をしていたとき、Aさんが急に次のようなことを話し始めました。

ある朝、Aさんがふと庭に目をやると、ご主人も庭を眺めていた。

そして、ご主人の背中を見ていて分かったことがあると言うのです。

「本当の父親じゃないんだと思ったの」と言うのです。

意味が分からず私は聞き返しました。

するとAさんはこう言いました。

「あの人(ご主人のこと)はお庭の植物の本当の父親ではないのよ」と。

つまり、こういうことです。

Aさんにとって庭の植物は子供のように愛しい。

でもご主人にとってはそうでない。

ご主人の背中を見ていて、そのことがはっきり分かったと言うのです。

野菜の苗を買いに行くとき車は出してくれるものの、苗に付いた土で車が汚れるのを嫌がるご主人のことをAさんはよく愚痴っておられました。

できた野菜は食べるのに、たかが土のことであれこれ言うご主人に不満が溜まっているようでもありました。

ただ私は、Aさんの本当に言いたかったことは(ご自身も気づいておられないかもしれないけれど)「ご主人が他人のように感じられて寂しい」ということではないかと思うのです。

話を聞く限り、これまでAさんとご主人は二人三脚の人生を送ってこられたようです。

ご主人は仕事に邁進され、Aさんはそれを懸命に支えてきた。

お二人が同じ方向を向いていた。

性格の違いを考える暇などなかったように思います。

そんなAさんを世間知らず(naive)と言う人もいるかもしれません。

でも、私はある意味うらやましいと思い、Aさんに言いました。

「車が土で汚れるのが嫌でも、苗を車で運んでくれるということは、ガーデニングを好きなAさんへの間接的な愛情表現ではないでしょうか」と。

でもAさんは納得しておられないようでした。

これまでの一心同体のような関係と比べると、Aさんが今の関係を寂しく(不満に)思うのは当然かもしれません。

お二人の性格はほぼ真反対のようで、だからこそこれまで補完しあってうまくいったと思うのですが、ご主人がリタイアされてからは夫婦二人の時間が増え、真逆の性格がぶつかり始めているように感じました。

世間でよく聞く話かもしれません。

ただ、Aさんご夫婦は離婚されることはないでしょう。

Aさんもご主人も、「結婚生活への不満」と「離婚で失うもの」を無意識のうちに比較し、結婚を継続しているように思います。

私も離婚前はそうでした。(意識してはいませんでしたが。)

元夫は「自由になりたい」と言って、私のもとを去っていきましたが、私だって自由だったわけではありません。

家事はほぼ全て私がやっていましたし、家も、旅行先も、移住先も、外食する場所も、全て元夫が決めていました。(私たち夫婦は共働きでした。)

ただ、私は(無意識のうちに)、そういう不自由さは結婚生活の代償だと思っていたように思います。(中尾ミエさんの言っていたことに通じます。)

多少不自由でも、愛する人と一緒に暮らせて幸せだ。

当時は意識していませんでしたが、そう思っていたように思います。

でも元夫は違ったのでしょう。

「結婚生活(そして私)への不満」が「離婚で失うもの」を上回った。

だから離婚を決めたのでしょう。(もちろんミッドライフクライシスがその決断に拍車をかけたのですが。)

私は、元夫のこの決断に彼の考え方が非常によく出ていると思います。

つまり「何のためなら何を我慢できるか」ということだと思うのです。

元夫は「嫌な結婚生活を続けるぐらいなら孤独を我慢するほうがいい」と判断したわけです。(あるいは既に意中の人がいた(またはすぐに恋人を作る)ので孤独にはならないと思ったのかもしれません。)

私は逆で、孤独は嫌だけど、結婚のわずらわしさなら我慢できる。

結婚なんてそんなものだろうと思っていたのだと思います。

それが幸せだと思っていたのだと思います。

意識してはいませんでしたが「結婚にはわずらわしさがつきまとうものなんだから我慢するのは当然だ」と思っていたのかもしれません。

ただ、人は変わります。

ミッドライフクライシス夫に棄てられた妻の経験談の中に面白い表現がありました。

その女性は、ご主人のミッドライフクライシスと離婚を経て、離婚前は想像もできないほど強くて新しい自分に生まれ変わったそうです。

その変化を「まるで粘土をぐちゃぐちゃにして窯に入れたら、思いがけず美しい焼き上がりになった」と表現していました。

さらに「前の自分より今の自分の方が好きだけど、そういう辛い経験をせずにこうなれたらもっとよかったのにね」とも書いておられました。

同感です。でもそういう辛い経験がないと、人がそこまで変わることはなかなか難しいのかもしれません。

私も変わりました。

そして今の自分の方が以前の自分より好きです。

前より強くなり、ひとりでいることも楽しめるようになりました。

でも、ひとりがいいというわけではない。

そして最近「それが私かな」と思うようになりました。

つまり、私は元夫のように「結婚のわずらわしさより孤独を我慢する方がまし」なタイプではないということが分かってきたのです。

でも「結婚したら何もかもハッピーになる」とももう思っていません。

結婚してもいろいろあるし、しなくてもいろいろある。

結婚しても寂しいときはあるし、しなくても寂しいときがある。

要は「結婚に何を求めているのか」、「結婚のためなら何を我慢できるのか」ということではないか。

そう思うようになったのです。

考えてみました。するといろいろ分かってきました。

  • もうそれほど結婚にはこだわっていないような気がする。
  • ただ、ステディな関係がいい。(複数いる恋人の一人にはなりたくない。)
  • 月一は少なすぎるので、週一で会うぐらいがいい。
  • 情熱的な恋愛というより、信頼に基づいた静かな愛情関係がいい。
  • お互いの家を行き来できる関係、距離がいい。
  • お互いの親族や友人に紹介できる(オープンな)関係がいい。
  • それぞれが生きがいを持つのがいい。
  • 食事のときにお互いの(日々の)活動について報告しあえる関係がいい。

そういう関係のためなら何を我慢できるかも考えてみました。

  • 一緒に食事するための買い物や料理はする。
  • 自分の生活費は自分でねん出する。

ここまで書いて、(今現在)私は、同居することをほぼ想定していないことに気付きました。

つまり私は、週一のペースで料理して食事するのはいいが、日々の家事全般(掃除、洗濯その他)をすることまでは考えていない。

これだと(普通?の)結婚は無理かもしれません。

あくまで今の心境です。

半年後、一年後は変わっているかもしれません。

どうなってるんでしょう?

自分のことなのに全く分かりません。

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最近知り合いになった女性の一言と、それを聞いて思ったことを記録に残しておきたいと思います。 その方は私より先輩。(以降、Aさんとお呼びします。) ご自宅で野菜や花を育ててらっしゃいます。 私に「 元夫と会い続けた方がいいのではないか 」と言った(今のところ)唯一の人でもあります。