2024/11/27

配偶者のための情報 「デタッチ」してやりたいようにやらせる

今回は「『デタッチ』してやりたいようにやらせる」についてです。

ミッドライフクライシスに関する欧米の本やサイトを読むと必ずと出てくるのがこの「Detatch(デタッチ)」という言葉です。

Attach(接続する)の逆の「切り離す」という意味で、どの本にも「ミッドライフクライシスになった夫からは『デタッチ』しましょう」と書かれています。

でも、何のことか分からない、ピンとこないというのが正直な反応ではないでしょうか。

そこであえて乱暴にざっくり言ってしまいます。

「デタッチする=流す、かわす」みたいな感じです。

つまり、ミッドライフクライシスになった旦那さんから何を言われても「流しましょう、かわしましょう」ということです。

無視するとか、鼻で笑うとか、そういうことではありません。

自分事ではないこととして聞き、自分とは切り離して受け止める。

さらっと聞いて、さらっと流すのです。

旦那さんの言うことに同意はしないけど、反論もしない。

なぜなら、ミッドライフクライシスの人とまともな話し合いなどできないからです。

旦那さんの言うことをまともに受け止めていたら、あなたがつぶれるからです。

旦那さんは全身全霊であなたの全て(人格、容姿など)を非難してきます。

当然です。旦那さんは自分が不幸なのはあなたのせいだと思っているのですから。

あなたを「敵」と思っているのですから。

だから攻撃してくるのです。

ですから、その攻撃に容赦はありません。

そして、あなたは信じてしまう。

彼が不幸なのは自分のせいだと信じてしまう。

自分を責める。

でもそれは一番やってはいけないことです。

なぜなら、彼を不幸にしているのは彼自身だからです。(詳しくはこちらの記事をお読みください。)

でも、思い込んでしまっている人とは意味のある話し合いなどできません。

では、どうするか?

言い方は悪いですが、旦那さんは正気でないと思いましょう。

あるいは3歳児、認知症だと思いましょう。

そういう人たちとまともにぶつかることはしないですよね。

とにかく何を言われても他人事として聞く、自分のことと思わないのです。

すると腹も立たなくなる、冷静に聞けます。

もちろん、言うは易く行うは難しです。

これまで長い間人生を共に歩んできた伴侶から、あることないこと言われるのですから、デタッチは文字通り、身を切られるようなつらさを伴います。

でも、繰り返しになりますが、旦那さんがミッドライフクライシスになったら「デタッチ」しないと、あなたのメンタルがやられてしまいます。

そして何度も言いますが、ミッドライフクライシス夫の不幸の原因は妻ではありません。(詳細はこちらの記事をお読みください。)

本人の責任です。

彼は今、(おそらく人生最後の)成長の過程を経ています。

彼が彼の人生を生きるための成長の過程です。

必死に自分を取り戻そうしています。

そして、その過程で取る行動が、たまたま妻を傷つけることになってしまっているのです。

ですから妻が取れる行動はただ一つです。

やりたいようにやらせるということです。

ただ、自分(と子供)は守らなければなりません。

そのための方法の一つが「デタッチする(切り離す)」ことなのです。

ミッドライフクライシス(成長の過程)を経ている旦那さんの意思は尊重しつつ、自分(と子供)を守るための行動です。

難しいです。

だから、先ずは「(彼は)いろいろ言っているけど(全部が全部)その通りではない」ということを念頭に置いていただきたいと思います。

繰り返しますが、旦那さんが不幸なのはあなたのせいではありません。

あなたが旦那さんを地下室にずっと監禁していたのなら、旦那さんが不幸なのはあなたのせいです(欧米のミッドライフクライシス本にそう書いてありました。)が、そうでない限り、彼の不幸は彼のせいです

でも、その不幸を解決するため、ミッドライフクライシスになった人は、必死でもがきます。

人生のどこかで見失ってしまった本来の自分を、必死になって探す。

そして、その自分探しの旅(そして往々にして無計画な旅)に、妻(や子)は巻き込まれます。

私が読んだ例で一番ひどかったのは、ミッドライフクライシスになった夫が浮気をし、でも浮気相手に失恋してしまった。

その(浮気相手に失恋した)悲しみを妻に打ち明け、妻はそれを複雑な気持ちで黙って聞いていた、という例です。

この女性のように振舞いなさいと言っているわけではありません。

これぐらい理不尽なことが起こりうるということです。

ちなみに、私の場合にも似たようなことが起き、目の前で「好きな女性がいる。忘れられない」と泣かれました。

その女性は、元夫と私が出会う前の知り合いなので(お付き合いしていたわけでもないようです。)、元夫は云十年以上会っていないはずです。

でも、写真まで見せられました。(ネットにあったのを探したようです。)

話を元に戻します。

「デタッチする」といっても、ただ聞き流せばいいと言っているわけではありません。

先ずは自分と旦那さんとを切り離し、その上で愛をもって話を聞く、対応しようということです。

もう一度言います。

大変難しいです。

最初は無理でしょう。

でも「彼(旦那さん)がミッドライフクライシスになったのは自分のせいではない」ということを理解して聴き始めると、受け止め方も変わってきます。

愛を持って接するけど、自分事としては受け止めない聴き方、態度です。

私の場合、デタッチする機会もないうちに、元夫の言動が暴力的になり、離婚せざるを得ませんでした。

でも、離婚後に会うときは、デタッチして話を聞くようにしています。(元夫のミッドライフクライシスは続いています。)

まとめ

デタッチする(旦那さんから自分を切り離す)ためのポイントをまとめてみました。

  • 旦那さんの不幸の原因は自分ではないことを、頭だけでなく腹で理解する。
  • ミッドライフクライシスは本人の成長の過程であり、他者(妻も含めて)は立ち入ることはできないことを理解する。
  • ミッドライフクライシス本人の意思を尊重し、言動に対する批判や介入は行わないようにする。
  • デタッチすることは、自分やお子さんのメンタルや生活を守るために必要な対応であることを理解する。

いかがでしょうか。

最初は本当に難しいと思います。

先ずは、黙って話を聴くことから始めるのがいいかもしれません。

そして、何か言いたいことがあってもすぐには口にしない、直感に従わないことが大切です。

最後にもう一つ。

「デタッチ」はあなたの心身を守るための一方法であり、旦那さんがあなたの元に戻ってくるようにする方法ではありません。

ミッドライフクライシスになった人は、自分のペースで、自分のやりたいように、あちこちぶつかりながら、次第に老いを受け入れ、自分自身を受け入れられるようになっていきます。

誰も(配偶者も含めて)その過程には介入できず、最終的にどうなるかは誰にも(おそらく本人にも)分かっていません。

初稿 2024年6月23日

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