2025/10/29

配偶者のための情報 言動の変化と人格の変化

ミッドライフクライシスで起こる「言動の変化」については他の記事でも書いていますが、今回は「前半期の言動の変化」と「後半期の人格の変化」に分けて掘り下げてみました。

先ず、前半期における「言動の変化」についてです。

ミッドライフクライシスになると、突然、言動が変わります。

ミッドライフクライシス勃発直後の変化です。

ここでの最大の特徴は「突然」です。

勃発まで、少なくとも妻の側からすると何の問題もない夫婦に、ある日突然、変化が訪れます。

勃発前後の様子について、欧米のミッドライフクライシス本やサイトでは以下のような例が挙げられています。

  • 大学に入学する子供を夫婦二人で車で大学まで送り届け、仲良くドライブして帰ってきてしばらくたった頃から、夫のクレジットカード請求額が高額になり、調べたところ、娘ほどの年齢の女性に高額の贈り物をしていることが判明した。
  • リタイア後に夫婦で住むコテージを買い、週末に通い、二人で改築していたが、夫の言動がおかしくなったのでどうしたのか聞いたところ出ていってしまい、そのコテージに別の女性と暮らし始めた。
  • 夕食に何を食べたいか聞くために「どうする?」と言ったところ「離婚したい」と言われた。
夫婦仲が元々険悪だった、冷めていたという例はほとんどありません。

当然、浮気などの問題も(ミッドライフクライシス勃発までは)ないことがほとんどで、それゆえに、ミッドライフクライシスが不倫で始まった場合に妻の受ける打撃は計り知れません。

(ミッドライフクライシス前にも女性関係に問題があったのなら、それは本人が単に女性好きなだけで、ミッドライフクライシスによるものではない可能性が高いです。)

言動の変化の具体例については「配偶者のための情報 典型的な症状」もご覧ください。

次は「人格の変化」についてです。

こちらは文字通り「人格」が変わります。

ここで、ミッドライフクライシスの経過について触れておきたいと思います。

ミッドライフクライシスは大きく、以下の経過をたどると言われています。
  1. 拒絶    老いや死を拒絶する
  2. 怒り    苛立ちをコントロールできない自分に怒る
  3. 再生    若かった頃を思い出し、当時を繰り返そうとする
  4. 憂鬱    1~3までがうまくいかず、うつ状態になる
  5. ひきこもり 家族や友人と距離を取る
  6. 受容    老いや死を受け入れ始める

一つ目の「言動の変化」は、前半期、つまり1~3ぐらいまでに起こります。

二つ目の「人格の変化」は後半期(4~6)に起きます。

後半期は「人は老い、いずれは死ぬ」という事実を受け入れ、今あるもの、持っているものに感謝し、今後の人生を再構築し始める過程です。

これらの過程を本当の意味でうまく経る、済ませることができれば問題ないのですが、全員がそうとは限らず、いくつかの留意点があります。

一つ目の留意点は、みながみな自分自身と向き合い、ミッドライフクライシスの根本原因を解決するとは限らないということです。

他人(親族や友人等)の言うことを鵜呑みにし、自らと向き合うことを避ける人もいます。

経済的その他の理由で、何も解決しないまま家族のもとに戻ってくる人もいるでしょう。

こういう人たちは、根本原因を解決していないため、何かをきっかけにミッドライフクライシスが再発する可能性があります。

他方、自身と向き合い、その結果、人格の変わる人、生き方を変える人たちもいます。

これらの人々は、ミッドライフクライシスを通じて真の意味の変化、成長を遂げたと言えるでしょう。

ただ、この場合、配偶者は以下のことに留意しなければなりません。

変化後の(夫の)生き方が、配偶者(妻)の望む生き方と合致するとは限らないということです。

人格の変わってしまった夫は、出会った頃と外見は同じですが、中身は別人だということです。

つまり、ミッドライフクライシス勃発後、ある程度の期間(男性の場合、通常3~10年)を経て、夫が戻ってきた場合、ざっくり言うと以下の2つのパターンがあるということです。

  • 以前とそれほど変わらずに戻ってきた ➡ 根本原因を解決してない可能性があり、その場合は(ミッドライフクライシスが)再発する可能性が高い
  • きちんと自分と向き合って人格変貌を遂げて戻ってきた ➡ 出会った頃の夫とは別人になっている

つまり、どちらにしてもミッドライフクライシス前には戻れないのです。

欧米の本やサイトが、(ミッドライフクライシスになった人の)配偶者は、自らの幸せを自らで作り始めなければならないことを強調しているのはこのためだです。

もちろん、そういったことを全て乗り越えて、夫婦の絆が強まることもあるようです。

ただ、それを望む場合、配偶者は以下のようなことに気を付けなくてはなりません。

  • ミッドライフクライシス中の言動について謝罪を強要しない
  • ミッドライフクライシス中の言動についてあれこれ言わない
  • ミッドライフクライシスは終わった、以前の状態に戻ったとは思わない
  • ミッドライフクライシス前にしていたことをすれば、以前に戻れるとは思わない

繰り返しになりますが、これは、ミッドライフクライシスを経ると人格が変わるからです。

以前の夫婦関係を取り戻すという発想ではなく、新たな関係を構築する必要があります。

そして、そのためには、ミッドライフクライシス本人だけではなく、配偶者の意志(努力)も必要となります。

また、配偶者は、ミッドライフクライシス本人が戻ってきてやり直しを望んでも、それが本当に自分自身の望むことかを真剣に考えなければなりません。

ミッドライフクライシス勃発直後の方は意外に思われるかもしれません。

勃発直後、ほとんどの妻は夫になにがなんでも戻ってきてほしいと思うからです。

しかし、時間の経過とともに変化するのはミッドライフクライシス本人だけではありません。

配偶者も変わります。(どのように変わるか、変えるかについては「配偶者のための情報 デタッチしてやりたいようにやらせる」をお読みください。)

最初のうちは、とかく勃発直後の「言動の変化」に気を取られがちですが、二つ目の「人格の変化」のほうがより深刻であり、配偶者の今後の生き方に大きく影響するものと言えるでしょう、

配偶者の精神的自立(そして経済的自立)が試されるときと言えるかもしれません。

初稿 2024年8月9日

改訂 2024年11月29日
   2025年10月29日

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