2025/04/22

クォーターライフクライシス

以前も少し書いたのですが、私は若い頃クォーターライフクライシスになりました。

今回はそのことについて書いてみたいと思います。

ブログの紹介でも書いていますが、私がこのブログを立ち上げたきっかけは元夫のミッドライフクライシスです。

騒動の初めから私の様子を見ていた母がある日、言いました。「(私が)案外冷静なので少し驚いた」と。

もっと泣き叫んだり、怒ったりすると思っていたようです。

確かにそうすることもできたでしょう。元夫をもっと責めることもできたと思います。

でも、泣きはしましたが、それほど怒りはしませんでした。

元夫を説得することも不可能だと思っていました。

そう思ったのは、元夫の心情が、クォーターライフクライシスになった頃の私と同じではないかと思ったからです。(元夫は否定するかもしれませんが。)

クォーターライフクライシスとは以下のような状況です。

クォーターライフクライシスとは、自身の人生の方向性や質に対する不安や悲しみを伴う実存的危機で、20代前半から30代半ばにかけての時期に最も一般的に経験される。(18歳ぐらいで始まることもある。)臨床心理士のアレックス・フォークは「キャリア、人間関係、経済状況を取り巻く不安、疑問、失望の期間」と定義している。

....  a quarter-life crisis is an existential crisis involving anxiety and sorrow over the direction and quality of one's life which is most commonly experienced in a period ranging from a person's early twenties up to their mid-thirties, although it can begin as early as eighteen. It is defined by clinical psychologist Alex Fowke as "a period of insecurity, doubt and disappointment surrounding your career, relationships and financial situation".(出典:Wikipedia

私がクォーターライフクライシスになったのは大学4年の、就職活動が終わった直後でした。

年齢的には正にクォーターライフ(人生の4分の1のとき)です。

ただ、きっかけはミッドライフクライシスでよく聞く「身近な人の死(結局死にませんでしたが)」でした。

父がガンになったのです。

突然見つかり、あっという間に手術となり、無事に終わりました。幸いなことに再発もせず、今に至っています。

クォーターライフクライシスは、父が退院し、家族が元の生活に戻った頃に始まりました。

感情をコントロールすることが困難になり、まともな生活を送ることができなくなったのです。

それまでの自分の人生に疑問を抱き始めました。

自分自身へのいら立ちや不安、親への怒りなどが湧き上がってきました。

このままでは危ないという自覚はあったので、ほうぼうの病院にかかりました。

ある病院では「肺炎の人が泳いでいるような状態だ」と診断され、休養するように言われました。

うつ(手前)だったと思います。思考が鈍り、体重が10キロ以上増え、パニック発作のようなものも起きていました。

公共交通機関で移動中はいつも「発作が起きても誰かが救急車を呼んでくれるだろう」と覚悟していたほどです。

私がクォーターライフクライシスになる下地はありました。具体的には書きませんが、幼少期から思春期にかけて、私は本来の自分を出すことを許されない状況にありました。

また、親の性格も一役買っていたかもしれません。(二人とも自覚はありませんが非常に支配的です。)

ずっと我慢して生きてきたのです。

問題は、そういう潜在的な問題や我慢をほぼ自覚せずに生きてきて、父のガンをきっかけにそれが一気に表面化したことです。

私はそれまでの人間関係を一切絶ちました。

両親との関係を断つ(家を出る)ことはできませんでしたが、親子関係を変える努力をしました。

ぶつかりました。(それは今でも続いています。)

それまでの友人と会うのをやめました。

「精神的自殺をして生まれ変わろう」と思いました。

とにかく、何もかもいったん壊して、新しく作り直そうと考えました。

新卒で入社した会社も辞めました。

当時の上司や同僚の方々には迷惑をかけたと思いますが、当時はまだ「うつ」というものが今ほど認知されておらず、相談することはできませんでした。

退職後、仕事も変えて、今に至っています。

もし、もう少し早くクォーターライフクライシスになっていたら、私の就職活動は違ったものになり、就職先も違ったでしょう。(あるいはどこにも就職できなかったかもしれません。)

結局、自分を取り戻すまで(再構築するまで)、10年近くかかりました。

会社も仕事も、人間関係も変えた頃に出会ったのが元夫です。

ミッドライフクライシスは、死を意識することがきっかけで起こることが多いと言われています。

私はまだ若く、ミッドライフクライシスではありませんでしたが、きっかけは父のガンで死を意識したことだったと思います。

自分もいつか死ぬということをはっきり自覚するようになり、それまでのような人生(幼少期のような人生)を今後も送るのはまっぴらだと思いました。

周囲(親)が私に期待する人生ではなく、自分の人生を生きたい。

そしてそのためには、生き方を変えなければならないと思ったことを今でもはっきりと覚えています。

大学卒業時のゼミの挨拶では、死ぬときに自分の人生に満足して死ねるような生き方をしたいというようなことを言った覚えもあります。

こういった自分の経験を振り返ると、元夫を責めることはできないような気がしました。

元夫は、クォーターライフクライシスの時の私と同じではないかと思いました。

そして、もしそうなら、相当つらいだろうと思いました。(もちろん、本当のところは分かりませんが。)

本人はいつも否定していましたが、元夫の幼少期は私以上に過酷でした。

本来の自分を出すことはできなかったと思います。実際、ミッドライフクライシス勃発まで、非常に「いい人」でした。

「自分が抱えていた思いや問題に全く気付いていなかった」とも言ってました。

元夫のミッドライフクライシスがいつ始まったのか、私には正確には分かりません。

一人になりたいというような発言や、夜中に叫んだり、物を投げたりするようなことは、分かりやすい言動ですが、本当はそれよりずっと前に始まっていたような気がします。

というのも、私も、クォーターライフクライシスが始まるよりはるかに前から、何かがおかしいと思っていたからです。

自分には何かが足りないと思っていました。

ただ、何をどうしていいか分からなかったので、そのまま日常を送っていただけでした。

そして私の場合、父のガンをきっかけに問題が表面化したのです。

ミッドライフクライシスとクォーターライフクライシスは同じではありません。

ミッドライフクライシスは中年期に起こります。かたや、クォーターライフクライシスは、クォーターというぐらいですから、若いときに起こります。(私の場合は20代前半でした。)

でも似ている面もあります。どちらもアイデンティティクライシスだということです。

私はカウンセリングを受けながらクォーターライフクライシスを克服し、その後、元夫と結婚しました。

そして今回、私は元夫を、彼のミッドライフクライシスで失いました。

なんか皮肉な気もしますし、そういうものなのかな、という思いもあります。

元夫が今後どういう成長を遂げるのか、私には分かりません。

それはおそらく元夫の資質に大きくかかっているのだと思います。

正解はなく、自分で見つけていく、作っていくしかないのだと思います。

彼自身の戦いだと思います。

今、クォーターライフクライシスだった頃の私を振り返ると思い出すことがあります。

当時、私は孤独を非常に恐れていました。

ある夜、一人で家にいたときのことです。

なぜか突然、一人で夜景を見ている光景が浮かんできて、そんな寂しい人生は送りたくないと激しく思ったのです。

でも、今は少し変わりました。

一人で夜景を見ていても、そのときほど孤独を感じないような気がするのです。

もちろん、今も寂しいときはあります。でも「寂しさは気のせい」と言う人もいます。

最近その意味が分かるようになりました。「寂しさ」はただの感情です。

その感情をどう受け止めるか、対応するかはその人次第です。

私もずいぶん変わったのだと思います。

私が今一番恐れているのは、物事に無感動になってしまう、いろいろなことに対して自分を閉じてしまうことです。

最近、楽しい時間を一緒に過ごせるパートナーがいたらいいなと思い始めました。

私の未来を作る旅は始まったばかりです。

初稿 2025/4/22
改訂 2026/4/14

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思わぬ一言に動揺してしまいました

ゴールデンウイーク。 旅行したり、どこかに出かけられた方が多いのではないでしょうか。 で、気付いたことを一つ。 実は少しだけ仕事しなければならず、相手先にメールしたら、すぐに返信が来たのはいいのですが、その中の一言にハッとしてしまいました。