2024/02/27

配偶者のための情報 過去は変えられない

夫がミッドライフクライシスに陥り、出ていきました。

今日は、前回の「配偶者は自分を責めてはいけない」の続きです。

ミッドライフクライシスの原因が(配偶者ではなく)本人にあることは前回書いた通りです。

だから、配偶者が自分を責める必要はないとも言いました。

でも自分を責めることに意味がないことには別の理由があります。

自分を責めても、もう過去に起きたことは変えられないからです。

この辺は欧米と日本とで感じ方が大きく違うところです。

日本には因果応報という言葉があります。

だから「配偶者であるあなたに何らかの問題がある(因果)から、旦那さんがミッドライフクライシスになった(応報)」と言う人がいるかもしれません。

あるいはあなたご自身がそのように考えているかもしれません。

そしてご自分を責めておられるかもしれません。

確かに因果応報という考え方はあると思います。

でもそれはミッドライフクライシスになったご本人にとってです。

本人が自分の問題を放置してきたから(因果)、ミッドライフクライシス(応報)になってしまったのです。

因みに放置してきた問題で多いのは、幼少期のトラブルです。

親との関係などをきちんと整理せずに来てしまった人は、精神的には大人になり切れないまま、年齢だけ重ねます。

そしてある時、突然、自分もいつか死ぬ、残された時間は無限ではないことに気付き、怖くなるのです。

やり残したことを今のうちにしておきたい、という気持ちになるのです。

若い女性との浮気、整形、筋トレなどの行為は、若返りたいという欲求と結びついています。

成長の過程をきちんと経てきた人は、都度、やりたいことをやってきており、それほどの焦りはありません。

言ってみれば、これまでのつけが一気に降りかかってきたのがミッドライフクライシスといえるでしょう。

でもそういう因果応報、つまり「これまで何も考えてこなかったから今焦っていろんなことを手当たり次第にやる」というのは本人の問題であり、配偶者には関係ありません。

だって他人なんですから。

旦那さんとあなたは親子でもない。他人同士。しかも大人の他人同士なんです。

結婚したときに見抜けなかったことを悔やむことはあるかもしれません。

でも本人すら今の今まで気付かなかった問題(だから大人になって爆発したのです。)に赤の他人のあなたが気付けるはずはありません。

いずれにせよ、因果応報は本人には当てはまりますが、他人であるあなたには無関係です。

そして無関係なあなたが、(たとえ今は夫婦でも)赤の他人の問題について、ああすればよかった、こうすればよかったと考えることは無意味です。

更にいうと、考えた結果、たとえ何かが分かったとしても、ここで今日の本題なのですが、過去は変えられないのです。

だから、自分を責めるのはやめましょう。過去を考えるのはやめましょう。

ええ、分かってます。とても難しいです。だって自然に考えてしまうんですから。

どうしてこんなことになったんだろう。あのときこうすればよかった。。。

でももうあの時には戻れないんです。

それともう一つ。こういうどうにもならないこと、答えの見つからないことを考えていると、逆に考えること自体が目的になり、中毒になるそうです。

そしてそれが昂じると鬱になります。

どうです。鬱になると聞いたらやめられそうですか。

もう一度言います。

旦那さんがミッドライフクライシスになった原因をあなたがいくら考えても、答えは見つかりません。

答えは旦那さんが自分の内面と対峙して出していくしかありません。

そして、たとえあなたが凄い天才で考えた末に答えが分かったとしても、過去は変えられない。

過去を反芻し、自分を責めることに全く意味がないことをお判りいただけたでしょうか。

ということで考えそうになったら気を逸らしましょう。忙しくしましょう。

予定を入れてください。散歩する、日記を付けるのもいいです。

働いてる方は仕事にまい進するのもいいと思います。

仕事のない方は就職活動をしましょう。(大変だけどお金は必要です。)

掃除や片付けもいいです。友人と会って話を聞いてもらうのもいいでしょう。

くたくたになるまで心と体を忙しくし、夜ぐっすり眠れるようにしましょう。

難しいのは分かっています。泣きたい、わめきたい。中には死んでしまいたいと思う方もいらっしゃるでしょう。

でもできることから、一つだけでも、トライしてみてください。

今日一日を生きてください。あなたは一人ではありません。

あなたと同じ思いをしている人はたくさんいます。

日本でミッドライフクライシスは「中年クライシス」というよく分からない言葉で語られています。

そして、鬱や更年期障害と一緒くたにされ、きちんと分析、説明されていません。

でも、ミッドライフクライシスは下手すると、配偶者にとっては鬱や更年期障害よりも大変です。

なぜならミッドライフクライシスになった人は配偶者を責めてくるから。

医者もきちんと向き合ってくれない。

日本のカウンセリングは未発達で頼りにならない。(あくまで私見ですが。)

でも繰り返します。責められるべきは彼の方なのです。彼の問題なのですから。

ですから、あなたはご自身がこの難局をどう乗り切るか、傷をどう浅くするかだけを考えてください。

それには先ず、心身の健康です。あなたの全てをあなたを守ることに使ってください。

ちなみにこのブログは妻の立場から書いていますが、ミッドライフクライシスは女性もなります。

あなたが男性の場合は、男女の役割を入れ替えてお読みください。

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