2024/04/30

ミッドライフクライシスの兆候、予感

夫がミッドライフクライシスになり、離婚しました。

今日は「ミッドライフクライシスの兆候、予感」についてです。

これまで再々、ミッドライフクライシスは突然だと書いてきました。

それは真実です。

ただ、不思議な予感はありました。

ミッドライフクライシスが勃発したのは去年のN月のことです。

(匿名性を保持したいので、N月ということでお許しください。)

N月の前月(つまりN-1月)には二人で旅行に行きました。

旅行先はここ数年変わらぬ場所で、元夫がいずれ住みたいと言っている所でした。

毎年1~2回、そこに行っては、どういうところに住みたいか、どういう風に暮らすかというイメージを膨らませてきました。

N-1月の旅先でも、いいなと思ったマンションの名前を控え、不動産会社に空部屋が出たら連絡くださいとメールしてました。

N月のXデー、それは金曜でした。

私はいつものように朝、散歩に出かけました。

コロナ以来、朝の散歩は私の日課になっています。

その日もいつものように散歩に出かけ、近所の公園に到着しました。

毎朝、そこで少し休憩し、スクワットなどの運動をしています。

その日もいつものようにスクワットしていた時です。変な予感に襲われたのは。

異常に強烈な予感でした。

あまりに強烈だったので私はそれをある記録に残したほどです。

自分の予感が正しいかどうかを後になって確かめたかったのかもしれません。

それぐらい強烈でした。体が震えるほどでした。

日中は何事もなく終わり、いつものように夕飯を作り、彼を待ち、一緒に食べました。

金曜は多くのサラリーマンにとって一番リラックスできる日です。

元夫も私も土日が休みなので、金曜はリラックスできるはずの日でした。

ところが元夫の様子があまりにおかしい。

上の空というか、黙っているというか、静かというか。

一人にしておいた方がいいのかなと思い、私は「ちょっと図書館に行ってくるね」と言いました。

ところが何の返事も返ってきません。

彼は夕食後の皿洗いをしてました。(私がお皿を洗い、彼はシンクをきれいにしてくれてました。)

「大丈夫?」と聞きました。

「疲れてる」と言われました。

でもその時はまだ普通に会話していました。

そこからどういうふうに話が転がっていったのか、具体的には覚えていません。

ただ、いつもと様子が違うので黙って聞いていたら、突然、彼が「一人になりたい、自由になりたい、全ての責任から自由になりたい」というようなことを言い始めました。

そこで黙ったままでいた方がよかったのか、それは今も分かりません。

ただ私の中では、そこまで彼が言うなら私も聞かざるを得ないのかな、という思いがありました。

静かに「それは離婚したいということなの」と聞いたのです。

今思うと、彼自身も「離婚」という言葉を口にするのが怖かったのかもしれません。

その辺からだったと思います。彼が感情的になってきたのは。

不満を次々と口にし始め、最後に「明日、財産分与の話をしよう」とまで言われました。

今でも、私があの時、突っ込まなければ、彼は何も言わないままだったのではないか、と思います。

あるいは、あの時、突っ込まないで時が過ぎれば、もっと大変なことになっていただろうとも思います。

分かりません。

いずれにせよ、私にはまだ若干の冷静さが残っていました。

それは「これは大変なことだから、感情的に話すことは避けなければならない」という思いでした。

私は「(私が)変えるべきことがあれば変えたい、直したい」と言いました。

彼に聞く耳はないようでした。

後日何度も同じように言いました。

「私の話を聞いてほしい」、「私が変わるチャンスを欲しい」とも言いました。

ただ、いずれの場合も、数分私の話を黙って聞き、「君の話は終わった?じゃあ聞いたからもういいね。離婚の話をしよう」というものでした。

私の話を物理的には聞いてくれましたが、心は完全にシャットアウト状態でした。

少し時間を戻します。

ミッドライフクライシス勃発の翌朝、私は自分の親に連絡しました。

彼らはキョトンでした。

私達はとても仲の良い夫婦でした。

少なくとも周囲にはそう見えていたと思います。

(よくあるミッドライフクライシスのパターンです。)

離婚が一番似合わない夫婦だったと思います。

(私自身もそう思っていました。)

私の両親は、最初は信じられないようでしたが、私が泣く(嗚咽する)のを見て、次第に事の深刻さを理解したようでした。

友人たちにもすぐ相談しました。

彼らも一様に驚いていました。

これがスタートです。ここから数カ月の間に話し合いはほぼゼロのまま、半年以内で離婚しました。

一度、彼が夜中に暴れたとき、私の親が家に来ました。

私が警察に電話しようとしたので、身内でなんとかしようと思って来てくれたんだと思います。

その時、私の親は初めて彼の様子を目の当たりにしました。

いつも温厚で優しい彼が怒鳴っているのを見てびっくりしたようでした。

私の親の中では「元夫は病気」ということになっています。

そういうふうに考えないと、彼らの中でも整理がつかないのだと思います。

父も最初は元夫を非難していたのですが、彼が怒鳴る様子を見て、頭ごなしに非難することをやめました。(病気なので仕方がないと思っているようです。)

他にも兆候はありました。

例えば、元夫から「同僚の女性と食事していいか」と聞かれました。

私は「セクハラが色々と紙面をにぎわす中、大丈夫なのか」というようなことを聞きました。

彼は「その女性はそんな人ではない」と怒りました。

この女性が後に「裏切られた」といって「敵対」することになる人です。)

やましいことがないなら、なぜいちいち聞いてくるのかと不思議に思ったことを覚えています。

今思えば、やましい思い(やましいという言葉が適切かはさておき)があったのでしょう。

でもそれを妻である私に聞くのは筋違いだし、無責任だという気もします。

もう一つ兆候といえば、それより5年以上前のうつ症状です。

クリニックにかかり、一応、治ったあるいは寛解したことになっていましたが、もしかしたら再発していたのかもしれません。

本人も後になってそのようなことを言ってました。

さらに、よく寝るようになっていました。

夜更かしするよりいい、疲れているのだから寝かせてあげよう、と思ってましたが、うつあるいは更年期障害の症状だったのでしょう。

でも、そういうことについて、私がもっと突っ込んだ対策を取っていたとしても変わりはなかったろうとも思っています。

彼はよくも悪くもそういう人でした。

よく言えば、意志の強い人、自立している人。

悪く言えば、人の言うことに耳を傾けない頑固な人。

でも私は、強い意志を持つ、そんな彼を好きで結婚したのでした。

ミッドライフクライシス勃発の日、何を言っても耳を貸さない彼に、私は「あまりに急だから今日はとりあえずこれぐらいにしたい」と言って、一人部屋に入りました。

心情的には長い、でも実際には半年にも満たないミッドライフクライシス戦争の始まりでした。

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大人の恋 楽しい恋

最近思い出したことがあります。 大学2年生のときに1か月間、ヨーロッパをバックパックで旅行したときのことです。 ユーレイスパスを使って一人で旅したせいか、あちこちですぐに知り合いができました。 その中の二人が、確かドイツ人女性と日本人男性のカップルでした。