井上荒野さんの「その話は今日はやめておきましょう」を読んでいます。その中で「自分の上に膜を張る」という言葉が出てきます。そしてその説明として登場人物の一人(理学療法士)が以下のように言います。
「リハビリがはかどらないのも、いつまで経っても歩けるようにならないのも、何なら怪我したことまで、ぜーんぶあたしのせいにして、泣いたり怒ったりする方もいらっしゃるんですよね。そういうときに膜張りますよね、(略)相手の言うことがいちいちグサグサ刺さらないように。今、怒鳴られているのは自分であって自分でないという、まあ一種の現実逃避ですね。(略)能面かぶってるって同僚からはよく言われますよ(略)」
これって要はデタッチメントですよね。私は今、膜を張っています。夫に何を言われても自分に言われているのではないと思うために。(なぜなら夫の不幸は夫自身の選択が招いたことだから。)
でも今振り返ったら、夫の顔が一時期能面でした。私、大丈夫かなって思って聞いたりしてたんです。でも彼はいつも「大丈夫」と言ってました。夫の状況がここまで深刻化したのは、自分がつらいということに気付かなかったこと、無理してたことに気付かなかったことが原因だと思います。今、こうなってみてて、能面だったときにどう対応すべきだったのか、「大丈夫じゃないでしょ」ともっと突っ込むべきだったかと考えますが、正直分かりません。
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