夫がミッドライフクライシスになり出ていきました。
最近、以前読んだ(ミッドライフクライシスに関する)本を読み返しています。
その中に、エーリッヒ・フロムの言葉としてこんな一節がありました。
「人を理解するということは大目に見るということではない。単に自分が神であるかのように相手を責めることをしないということである」
そしてその後にこんな一節が続きます。
「不安定な状況を鎮めるには理解することが一番だ」
私もそう思います。
ミッドライフクライシス勃発直後から、私は本やサイトから大量の情報を収集し、状況の理解に努めました。
そうすることによって、元夫がなぜそういう言動をとるかを理解し、理解することによって自分の不安や、無用な言い争いを回避することができました。
最初に学んだのは、ミッドライフクライシスになった人は配偶者を最も敵視するので、配偶者(私)が何を言っても意味がないということでした。
その通りでした。途中から私は彼に自分の意見を言うことをやめました。
また、ミッドライフクライシスになると人は変わってしまうということも学びました。
だから、以前の彼が戻ってくることを期待するのもやめました。
知らなかったら、彼との議論や言い争いに膨大なエネルギーを費やしていたと思います。
おかげで、自分の気力やエネルギーをセルフケアに振り向けることができました。
本当に良かったと思っています。
この記事を書いている時点で、私と元夫との間には、友人としての関係が継続しています。
でもその本の中には次のような厳しい意見もありました。
「元夫は友情と見せかけてあなたを心理的に操ろうとしている可能性がある。彼は家を売り、責任を捨て、自由を得て、気が向いたらあなたと夕食を共にし、一緒に音楽を聴く。都合よ過ぎでしょ!」
全くその通りです。
彼が私に浴びせた様々な批判、非難(あることないこと含めて)を彼は忘れているようですが(あるいは忘れたふりをしているのですが)、私は忘れることはできないでしょう。
そして、彼が今どんなに優しく紳士的に振舞っても、その暴言を吐いたときの彼をどうしても思い出してしまいます。
もう彼のことを以前のように信用できないのです。
別れたときから、彼はさらに変わってきています。
以前は私に決して話さなかった感情(職場でのつらさなど)を話してくれるようになりました。
自分の感情を素直に口にできるようになったことは大きな成長であり、彼にとってよかったと思っています。
でもそれが私への愛情の現れとは思わないようにしています。
自分の弱さを認め、自分の心に素直に行動できるようになった時、彼は一体どこに向かうのでしょう。
もうその横に私はいないでしょう。
今私は、彼がミッドライフクライシスになった原因、なぜあんなひどいことを私にしたかを、ほぼ理解したと思っています。
私(と彼との関係性)にも原因があった、と思っています。
その部分について、私は彼を許すことができました。
でもそれ以外のことについても許したかと問われれば「彼のためではなく私自身のために許した」と答えるでしょう。
私自身が前に進むために許したのであり、彼の言動自体を許したわけではないのです。
さらに言うと、一生忘れることもできないでしょう。
彼との生活、思い出に、私は今、ゆっくりと、別れを告げています。
きちんと別れるために、私は彼との友情を継続しています。
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