2026/10/28

配偶者のための情報 許さなくても怒りは手放せる

ミッドライフクライシスや離婚に関する本やサイトに必ず書かれているのが「許す」ことの大切さです。

許すのは相手のためではなく自分のため。

自分が前に進むためには許すことが大切。

といったようなことが書かれています。

許すことは最も難しいとも書かれています。

許すとは

「許す」とは「怒りを手放すという意識的な選択をする」ことです。

怒りは人を不幸にします。

病気にすることもあります。

私も怒りを溜めないよう苦闘してきました。

紆余曲折ありましたが、今は、私の中にあった元夫への怒りはほぼ手放せたと思っています。

でも許したわけではない

怒りを手放すことはできましたが、「元夫を許したのか」と問われれば、そうではありません。

私は元夫を許してはいません。

許すことなんてできるのか、という思いすらあります。

諦める

ではどうやって怒りを手放したかというと、私は「諦める」ことで怒りを手放したように思います。

ここで言う「諦める」とはいわゆる「かなえたいことを断念する」という意味ではなく、仏教でいう「詳らか(つまびらか)にする」、「明らかにする」ということです。(出典:大谷大学)

私は、怒りを手放すために必要なのは「許す」ことではなく、腹落ちするまで「諦める(詳らかにする、明らかにする)」過程を繰り返すことではないかと思っています。

先ずは理解する

エーリッヒ・フロムの言葉にこんな一節があります。

人を理解するということは大目に見るということではない。

単に自分が神であるかのように相手を責めることをしないということである。

そしてその後にこんな一節が続きます。

不安定な状況を鎮めるには理解することが一番だ。

諦める(詳らかにする、明らかにする)

ただ、不安定な状況(怒りもその一つだと思います。)を鎮めるには、理解するだけでは足りないと思います。

理解の後には「(状況を)諦める(詳らかにする、明らかにする)こと」が必要だと思います。

具体的には、以下のような過程を経ることが必要なのではないでしょうか。

  • 必要な情報を集める
  • 集めた情報に基づいて状況を理解する、詳らかにする
  • 自分の行動で変えられること、変えられないことを詳らか、明らかにする

私にとって離婚を受け入れる決断はとても辛いものでした。

でも情報を集め、事実関係を把握したことで、いくら離婚が嫌でも(そして理不尽に思っても)受け入れざるを得ないことが見えてきました。

その後も、不安や怒りを感じる度に、「情報を収集する→状況を詳らかにする」という過程を経て、自分の行動で変えられること、変えられないことを詳らか(明らか)にしました。

そうすることで、自然にその後の行動が決まっていったような気がします。

詳らかにする、明らかにするには情報が必要

諦める(詳らかにする、明らかにする)ために必要なのは情報です。

情報に基づいて事実関係を正確に把握することが必要です。

例えば、私は、元夫の「自由になりたい、一人になりたい」という呟きが何を意味するかを調べました。

その結果、それがミッドライフクライシスになった人が発する典型的な呟きであることを知りました。

そして、ミッドライフクライシスから抜け出すのは本人にしかできないことで、周囲は見守ることはできても助けることはできないことを知りました。

私と同様の境遇にある妻たちに関するたくさんの本やサイトにも目を通し、情報を集めました。

怒りを手放すために必要なこと

私は、以下の過程(諦めの過程)を繰り返すことで、元夫を許すことなく怒りを手放せたような気がしています。

情報収集→事実関係の把握→諦める(詳らかにする)

この過程を繰り返すことで、自分ではどうにもならないことがあるということに、次第に(嫌でも)納得するようになりました。

いや、納得せざるを得なくなるまで繰り返したという方が正確かもしれません。

どうやっても変えられないことは、何をしても変わりません。

そしてそのことに心から納得できれば、怒りはだんだん静まっていきます。

もちろん、最初から納得することは難しいでしょう。

でもどうにもならないことにエネルギーを使うのが無意味であることは言うまでもありません。

ですから、怒りを手放すには、手放すことに納得することが必要で、納得するためには何をすればいいかが問題です。

そして納得するために必要なのが、諦めの過程(情報収集→事実関係の把握→諦める)を経る、腹落ちするまでそれを繰り返すことだと思うのです。

私にとっては、無理して許そうとするより、諦めの過程を繰り返す方が、怒りを手放すのにはるかに効果的で楽でした。

気持ちは強制できない

それには理由があります。

「人の気持ちを強制することはできない」からです。

他人の気持ちだけではありません。自分の気持ちもです。

いくら許そう、怒りを手放そうと思っても、自分の気持ちを押し曲げて許す、怒りを手放すなんて不可能です。

そんな無理をするより、腹落ちするまで「諦めの過程」を繰り返し、少しずつでも怒りを手放す方がずっと楽で、自然だと思います。

情報は大事

繰り返しになりますが、怒りを手放すには以下の過程(諦めの過程)を経ることが必要だと思います。

  • 情報収集する
  • 事実関係(自分の立ち位置)を把握する
  • 諦める(自分が変えられること、変えられないことを明らかにする)
  • 上の過程を納得する、腹落ちするまで繰り返す

忘れられがちなのは情報収集だと思います。

でも情報収集は大事です。

情報がないと事実関係を把握できないからです。

事実関係を把握できないと、自分に何ができるかできないかは分かりません。

また、情報収集は思うより大変です。

必要な情報が最初から分かっているわけではないからです。

例えば、一時期、私は元夫の女性関係について調査しようか悩んだことがありました。(親族に勧められたからです。)

でも、法律に詳しい人に相談したところ、「浮気調査には百万円単位のお金がかかる可能性があり、たとえ浮気を証明できても大した見返りはない」ということを知りました。

結局、浮気調査はやめました。

やめるという決断を下せたのは「浮気調査をするメリットは思ったより少ない」ということを知ったからです。

浮気調査はしないということに自分自身が納得した、腹落ちできたからです。

もちろん、「メリットがなくても調査をする方が怒りを手放せるから調査する」という決断もあるでしょう。

でもどちらの場合も情報があって初めて下せる決断です。

そして私の場合、調査はしないという決断を下すことで一歩前に進むことができた、元夫の女性関係に関する怒りや不安を減らすことができたと思っています。

情報があってこそ、事実関係を把握することができ、(自然に)次の行動につながる。

気持ちの整理にも役立つ。

そう思っています。

まとめ

怒りを手放すには、先ずは情報収集して、事実関係を把握することをお勧めします。

情報収集は大変です。

時間と労力がかかります。

お金がかかるときもあります(法律などの知識)。

でも、事実関係(情報)を把握することで、自分の状況を客観的に見ることが可能になります。

状況が詳らかになることで、感情に流される自分を引き留めてくれます。

また、事実関係の把握に努めている間は、ネガティブな感情から距離を置くこともできます。

そして何よりも大切なのは、事実関係と向き合っているうちに、自然に(取るべき)行動が決まってくるということです。

もちろん、悲しさ、怒り、寂しさなどの感情と向き合うことも必要です。

でも、客観的な情報があって向き合う方が、情報なしのときよりも健康的に向き合えるのではないでしょうか。

ですから、繰り返しになりますが、事実関係の把握(情報収集)に時間と労力をかけることがとても大切だと思うのです。

状況を詳らか、明らかにし(諦め)、自分にできることと、できないことを見極める。

これを繰り返すことで、自分の状況を客観的な立場から理解し、何を変えられ、何を変えられないかが納得できるようになると思います。

そして、自分のできること、できないことについて納得できれば、無理に「許す」決断を下さなくても、もっと自然に怒りを手放せるように思います。

人は忘れる

「諦め」のプロセスを繰り返すうちに時間は経過します。

そして怒りの原因となったことを忘れていきます。

人は忘れる生き物です。

決して「許す」わけではない。

でも諦めの過程を繰り返すうちに、怒りの原因を徐々に忘れ、怒りの感情は薄れていく。

そうすることで、私は許すことなく、怒りをほぼ手放すことができたと思っています。

--------------------------------------------------------------------------

初稿 3/26/2024

最近、以前読んだ(ミッドライフクライシスに関する)本を読み返しています。

その中に、エーリッヒ・フロムの言葉としてこんな一節がありました。

「人を理解するということは大目に見るということではない。単に自分が神であるかのように相手を責めることをしないということである」

そしてその後にこんな一節が続きます。

「不安定な状況を鎮めるには理解することが一番だ」

私もそう思います。

ミッドライフクライシス勃発直後から、私は本やサイトから大量の情報を収集し、状況の理解に努めました。

そうすることによって、元夫がなぜそういう言動をとるかを理解し、理解することによって自分の不安や、無用な言い争いを回避することができました。

最初に学んだのは、ミッドライフクライシスになった人は配偶者を最も敵視するので、配偶者(私)が何を言っても意味がないということでした。

その通りでした。途中から私は彼に自分の意見を言うことをやめました。

また、ミッドライフクライシスになると人は変わってしまうということも学びました。

だから、以前の彼が戻ってくることを期待するのもやめました。

知らなかったら、彼との議論や言い争いに膨大なエネルギーを費やしていたと思います。

おかげで、自分の気力やエネルギーをセルフケアに振り向けることができました。

本当に良かったと思っています。

この記事を書いている時点で、私と元夫との間には、友人としての関係が継続しています。

でもその本の中には次のような厳しい意見もありました。

「元夫は友情と見せかけてあなたを心理的に操ろうとしている可能性がある。彼は家を売り、責任を捨て、自由を得て、気が向いたらあなたと夕食を共にし、一緒に音楽を聴く。都合よ過ぎでしょ!」

全くその通りです。

彼が私に浴びせた様々な批判、非難(あることないこと含めて)を彼は忘れているようですが(あるいは忘れたふりをしているのですが)、私は忘れることはできないでしょう。

そして、彼が今どんなに優しく紳士的に振舞っても、その暴言を吐いたときの彼をどうしても思い出してしまいます。

もう彼のことを以前のように信用できないのです。

別れたときから、彼はさらに変わってきています。

以前は私に決して話さなかった感情(職場でのつらさなど)を話してくれるようになりました。

自分の感情を素直に口にできるようになったことは大きな成長であり、彼にとってよかったと思っています。

でもそれが私への愛情の現れとは思わないようにしています。

自分の弱さを認め、自分の心に素直に行動できるようになった時、彼は一体どこに向かうのでしょう。

もうその横に私はいないでしょう。

今私は、彼がミッドライフクライシスになった原因、なぜあんなひどいことを私にしたかを、ほぼ理解したと思っています。

私(と彼との関係性)にも原因があった、と思っています。

その部分について、私は彼を許すことができました。

でもそれ以外のことについても許したかと問われれば「彼のためではなく私自身のために許した」と答えるでしょう。

私自身が前に進むために許したのであり、彼の言動自体を許したわけではないのです。

さらに言うと、一生忘れることもできないでしょう。

彼との生活、思い出に、私は今、ゆっくりと、別れを告げています。

きちんと別れるために、私は彼との友情を継続しています。

3/26/2024
10/28/2026

Google アカウントを持ってない方は、コメント記入後に「Google アカウント」をクリックし、「匿名」か「名前/URL」を選択してからご記入ください!

--------------------------------------------
配偶者のための情報 他の記事

もし、これまで仲の良かった(と少なくともあなたは思っていた)旦那さんの言動が豹変してしまった方は、先ずは「配偶者のための情報」というラベルの付いた記事をお読みください。(「目次 - 配偶者のための情報」をご覧ください。)旦那さんはミッドライフクライシスかもしれません。 

はじめに - 旦那さんがミッドライフクライシスになってしまった人へ
私の体験談
ミッドライフクライシスとは何か
ミッドライフクライシスが起きるまで
自信を取り戻す
自分を甘やかす
感謝する
記録を付ける
「ミッドライフクライシス」と「中年期の不調」は違う
あなたは一人ではない
ミッドライフクライシスの典型的な症状
「デタッチ」してやりたいようにやらせる
(ミッドライフクライシス)離婚手続きのあれこれ
言動の変化と人格の変化
年金分割手続きとあれこれ
コントロールできることに責任を持つ
喪の作業と立ち直りの作業は別
新しい人、新しい環境
唯一の心残り 元夫の更年期障害に気付かなかったこと
直感に従わない
許さなくても怒りは手放せる

0 件のコメント:

コメントを投稿

女の武士道(「なぜモラハラ(ミッドライフクライシス)夫を受け入れているか」を改題)

3年前に書いた記事を読み返しました。(下の方にそのまま掲載しています。) 元夫のミッドライフクライシス勃発から2か月半後に書いたものです。 そのときから元夫はずいぶん変わり、もうそこに書かれているような行動はしません。 でもここでもう一度、ミッドライフクライシスの人と話すときの心...