「恋するベーカリー」という映画を観ました。(少しネタばれありますのでご注意ください!)
主な登場人物を演じるのは:
- メリル・ストリープ(ジェーン:元妻)
- アレック・ボールドウィン(ジェイク:ジェーンの元夫)
- スティーブ・マーティン(ジェーンの彼氏候補)
3人とも離婚経験者という設定のロマンティックコメディーです。
あまり期待していなかったのですが、とても考えさせられました。
先ずそのタイトルです。
日本語のタイトルは「恋するベーカリー」ですが、原題は It's Complicated。
そうなんです。
離婚してすっきりする人もいるでしょうが、私の場合は元夫がミッドライフクライシス(私の診立てです)だったこともあり、本当に複雑(complicated)です。
その象徴が、これまでにも何度も書いていますが、元夫と離婚後も食事していることです。
なぜか?
それが complicated(複雑)なんです。
うまく説明できないのです。
逃げの答えは「彼から月一ペースで連絡が来るから」です。
私からは連絡しません。
だから、彼から連絡が来なかったら終わりです。
でも、本当の理由は複雑です。
自分でも分からないんです。
でもその複雑な気持ちの半分ぐらいを、この映画が解きほぐしてくれた気がします。
というのも、映画の主人公のジェーンも元夫と会っていて、会うべきかやめるべきかをカウンセラーに相談しているんです。
ジェーンは元夫と会う理由について、カウンセラーに以下のように説明します。
- 結婚が失敗した理由を見つけようとしているのか。
- 復縁したいのか。
- 二人の間に何かし残したことがあるのか。
- 復讐しようとしているのか。
- ただ寂しいから会っているのか。
私も上の全ての可能性について考えました(考えています)。
どれもあてはまるようで、どれも違うような気がする。
そしてジェーンは元夫と会うことについて、次の内、正しい方を言ってほしいとカウンセラーにお願いするのです。
- (会うことは)間違いだからもう会うな
- 会っても大丈夫
(アメリカ人が他人に指図を求めるのはとっても珍しいことです。ジェーンがとても悩んでいることが見て取れます。)
するとカウンセラーはジェーンに「ものの見方が変わったね。オープンになったね」と言った後、こう続けます。
"Let go. It can't hurt."(「そのままでいいんじゃない。傷つかないよ」)
思わず Wow!と叫んでいました。
でも、それと同時にカウンセラーは、元夫と会っていることが怖い(多分また傷つくことを恐れているのだと思います)と言うジェーンにこうも言います。
「(その怖さから)目を逸らさないで」
ジェーンと私はいろいろな面(子供の有無、離婚してからの年数、元夫との関係性等)で違います。
でも、自分で悩み、考え、結論を出す、という過程を経てこそ、初めて納得した人生を生きることができるという点は同じだと思いました。
ジェーンも悩み、泣き、決断を下し、それを周囲にきちんと説明してました。
さて、私はどうするのか。
分かりません。
もしかしたら悩む必要もなく、このまま元夫からの連絡が途絶え、もう一生会わないことになるのかもしれません。
(夫婦って本当に他人です。うちは子供がいないこともあり、離婚したら夫婦関係だけでなく人としての関係も無になります。)
いずれにせよ、私もまたジェーンのように悩み、また泣き、何らかの決定を下すのでしょう。
でもだからこそ、その日まで、つらさ、怖さから目を逸らさず、あるがままを受け入れようという決意を新たにしました。
幸い、私はこれまで、つらさ、怖さを全てブログに書き、自分の苦しみを見つめてきました。
その時々で考えるべきことを考え、感じるべきことを感じることが、喪のプロセスだと思っているからです。
自分の感情を無理に押さえることはせず、あるがままに、泣きたいときは泣き、自己嫌悪に陥ったらそれも受け入れ、一日一日を感受性全開で生きていこうと思っています。
ジェーンの発言によると、離婚から4~5年経ったら普通になり始めるとのこと。
4~5年経ってやっと普通になり始めるということは、普通になるにはそれ以上かかるんですね。
でもあまり先のことは考えてはいけません。
今は足元の小さい花を楽しみながら、ゆっくりゆっくり歩いています。
P.S.
少し前になりますが、近所に七夕の笹が飾られていて、短冊がたくさんつるされてました。
私も「自分の幸せを自分で作る」と書いてつるしました。
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